レガシー・サバイバル術 第4回：「“俺だけがわかる”スクリプトの闇」

😱 覚えのある「俺だけスクリプト」チェックリスト

• /opt/scripts/backup.sh（500行）
• ファイル名が doall.sh または final_v2_2021_bkup.sh
• 先頭に # このスクリプトは触るな とだけ書いてある
• コメントに「よくわからんけど動く」とある
• 書いた本人がすでに異動 or 忘れている

それはもう“資産”ではない。
未来の自分への地雷です。

🧨 なぜ“俺だけがわかる”スクリプトは生まれるのか？

• 緊急対応 → 「あとで直す」→ 永遠に直されない
• 天才型エンジニア → コメント不要と判断 → 属人化
• 人に任せて壊された過去 → 「もう俺がやる」

💀 実録：現場で見た“俺スクリプト”の闇

• cronで /tmp/daily_check.sh 実行 → tmpwatchで消えて沈黙
• monitor.pl にbase64文字列 → decodeするとSlack Webhook（失効済）
• バックアップスクリプトにS3キー直書き → git管理されて世界へ公開

🔧 じゃあ、どうすればよかったのか？

✅ Gitで管理しよう

• 誰が何を変えたかが明確に
• READMEに使い方と実行例を書く

✅ ファイル名は意図が伝わるように

• daily_log_cleaner.sh ← 良い
• test3_fatal.sh ← 悪い

✅ コメントは“未来の自分宛てのラブレター”

# FIXME: ここは旧システムA対応。制度変更で見直し予定（2024年）

✅ 設定とロジックは分離する

• config.ini に設定値
• main.py で読み込む

🛠 “俺ツール”の資産化チェックリスト

🧘 属人化からチームの資産へ

ある先輩がこう言いました：

「コードは資産。でも“俺だけ資産”は負債。」

属人化されたスクリプトも、ちゃんと整理すればチームの武器になる。
それが、インフラおじさんの伝家の宝刀“継承”です。

📌 まとめ：俺ツールの呪いを、愛で解きほぐせ

🔮 次回予告：「止まらない設計は美しい」

次回は、システムが落ちたときに問われる「設計思想」。

• 冗長化してるのに落ちるのはなぜ？
• 止まらない設計とは「人が動ける設計」
• 手順・通知・訓練…運用こそインフラの本質

技術だけじゃない、“現場の強さ”を語ります。

👋 最後にひとこと

「俺しかわからない」は、誇りではなく課題。
伝えよう。書こう。渡そう。未来のチームのために。