〜システムの裏にある“想い”を言語化せよ〜
こんにちは、代表の片ケ瀬です。
レガシーを語るシリーズもいよいよ最終回。
今回のテーマは「語ること」。そう、システムの“背景”や“想い”を言葉にする大切さです。
レガシーを語るシリーズもいよいよ最終回。
今回のテーマは「語ること」。そう、システムの“背景”や“想い”を言葉にする大切さです。
📦 レガシーとは、技術ではなく「物語」
たとえばこんな設定を見たことありませんか?
ProxyPass /legacy-api http://10.0.0.5:8080/
なぜ必要?なぜポート8080?なぜ直アクセスNG?
技術的な説明はどこにもない。
でも、そこには“理由”と“背景”がある。
それが語られなければ、未来の誰かは触れず、理解できず、結局放置される。
🧠 言葉がないと、判断もできない
後輩「この設定、消していいっすか?」
自分「……いや、たぶん使ってないけど……怖いな」
→ そして誰も触らない。
→ 属人化が進む。
→ “レガシーの闇”が深くなる。
📝 ドキュメントに必要なのは「意図」と「背景」
✅ なぜそうしたかを書く
## なぜこの設定にしたか
2021年時点、/legacy-api を旧SpringBootサービスにリバースプロキシする要件があった。
2023年に廃止予定だったが、内部からの依存が消えず継続中。
✅ 歴史を書く
## スクリプトの由来
このバックアップスクリプトは、旧システムBからの移行時に作成。
当時の保守担当(山田さん)が、手動作業の代替として実装した。
✅ “迷い”すら書いてよい
## 備考
この設定、現時点で不要かもしれないが、削除した際に
一部APIが500を返した履歴あり。再確認後に削除要検討。
🧭 技術を“語れる”人がいる組織は強い
- 設計思想を言語化できる
- 背景を共有できる
- 判断基準が継承される
それが、「人にやさしいレガシー」を生み出す第一歩です。
✊ レガシーは「語られる」ことで価値になる
コード・構成・スクリプトは見れば動く。
でも、それだけではなぜそうしたかは伝わらない。
設計意図がわかる。
経緯がわかる。
背景がわかる。
──だから安心して触れる。
📌 まとめ:レガシーの価値は、語られてこそ活きる
状態 | 語られないと… | 語られたら… |
---|---|---|
Proxy設定 | 誰も触れない | 安全に見直せる |
スクリプト | 作者不明で放置 | 改善できる |
構成意図 | 誤解でリプレイス | 正しく進化できる |
🎁 レガシーとは、「残ったもの」ではなく「語り継がれたもの」
あなたの一言が、次の管理者の判断を助けます。
未来のインフラ屋が、あなたの設計を誇りに思えるように。
🎉 最終回あとがき:あなたこそが“語れる技術者”
技術は“動く”だけじゃダメなんです。
動く理由が説明できる。残す意図が語れる。
──それが、技術を超えて“文化”になる。
👋 最後にひとこと
「古い」じゃない、「語られた」から価値がある。
レガシーとは、そういうものです。
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