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WebSAM:千の手を持つ者

WebSAM:千の手を持つ者

〜それは全機能統合管理という名の黙示録〜

🔍 はじめに:「で、WebSAMって何なんですか?」

監視ツール? バッチ? 通知? スケジューラー? プリンタ制御?

正直、全部です。

WebSAM(ウェブサム)とは、NECが誇るオールインワンIT基盤管理ソリューション。

そのあまりの広さと深さから、現場ではこう呼ばれた——「千手観音」

📦 機能が多すぎる問題

インストール直後、まず出会うのが圧倒的な数のモジュール群。

  • WebSAM SystemManager G
  • WebSAM JobCenter
  • WebSAM AlertManager
  • WebSAM PrinterController(!?)

そのすべてが、名前だけで役割がわからないという地獄。

ドキュメントPDFも重厚長大。全部読んで理解できたら、それはもうNEC社員。

📈 「設定画面」と戦う日々

GUIがある。便利そうに見える。だが、

  • 監視条件に5階層の条件ブロック
  • 通知先は「イベント種別 + 状態 + レベル」で組み合わせ設定
  • JobCenterはトリガー条件の時刻調整だけで40クリック

何か変更するたびに3回「保存」ボタンがあるなど、妙な儀式も満載だった。

🧠 人間の限界を超えた監視

WebSAMは高機能すぎて、「設定者が理解しきれない」状態に陥る。

「それ、誰が設定しました?」
「前任者です」
「じゃあ、もう誰も止められませんね……」

最終的に「触らぬWebSAMに祟りなし」と言われる始末。

📣 それでも現場を守った千手

確かに重厚で、クセがあって、動作も独特。

だが、24時間365日、落ちない監視・ジョブ・通知があった。

シビアなインフラ要件の中で、WebSAMは“全方位防御”を実現していた。

🎁 まとめ:「何でもできる」は「何も分からない」に等しい

千の手を持つ者には、それを動かす“意志”が必要だった。

WebSAMはその規模ゆえに扱いが難しかったが、本気で学べば、全社レベルのIT統制が可能だった

今もどこかのデータセンターで、千手が眠らぬシステムを支えているかもしれない。

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