〜「通った?」「文字化けしてない?」が日常だった頃〜
📦 はじめに:ファイル転送、それは神事だった
ネットワークが不安定だった時代。VPNもクラウドも存在しない環境で、ファイルを確実に「届ける」ことは、信頼と責任の象徴だった。
そんな時代に生まれた転送の神──それが HULFT(ハルフト) だった。
🎯 ファイル転送=業務の命
夜間バッチ処理の最中、HULFTで送られるCSV。それが明日の売上、社員の勤怠、経理の処理に繋がる。
- 「届かなかった」=業務停止
- 「文字化け」=再送と謝罪と再処理
- 「ファイル名が違う」=自動取り込みが全滅
つまり、HULFTの転送成功こそが、その日の業務継続を保証する“祈り”だった。
🛠 神Hの基本設定三種の神器
- 転送定義(相手ホスト・ファイル名・宛先)
- 通信定義(ポート・接続先・暗号化)
- 文字コード(SJIS、EBCDIC、UTF-8…地雷の嵐)
これらが一つでもズレていたら、転送は失敗。成功しても「読めない」「開けない」「桁ずれ」など、日々のドラマが生まれる。
🔤 文字コード地獄
「Shift_JISか、UTF-8か、それが問題だ」
- 「全角スペースがEBCDICで化ける」
- 「0x5C問題でバックスラッシュと円記号が混乱」
- 「改行コードがLFなのかCRLFなのか」
新人にとっては意味不明。ベテランにとっては「またこの時間か…」という運命。
まさに、HULFTとは文字コードの実践道場だった。
📈 転送ログは真剣勝負
HULFTのログは、成功していても安心できない。
- 「RC=0」でも「件数0件」→ 中身がなかった地獄
- 「RC=2」→ ファイル名が不一致
- 「RC=8」→ 転送失敗。だけど理由が不明(泣)
朝イチでメールチェック → 転送ログチェック → チームに報告。
それが毎日の“ルーティン”だった。
⚡ ファイル転送の「哲学」だった
HULFTには、単なるソフトを超えた思想があった。
「ファイルは通すが、心は落とさない」
再送を重ねるたび、通信の尊さと人間の忍耐を知る。
👴 こんな神Hあるある、ありませんでしたか?
- 「送り先のフォルダが消えてて激怒」
- 「相手がバージョン違いで転送できず」
- 「ルータのNAT設定がHULFTだけ邪魔する」
- 「ファイル名が全角でNG」
- 「なぜか一件だけ文字化け」
🎁 まとめ:神Hは“業務信仰”だった
今やSFTPやHTTPS、API経由でのファイル転送が主流になった。
しかし、「確実に通す」「履歴が残る」「成功が見える」という点で、HULFTの思想はいまだ現場に生き続けている。
それは、単なるファイル転送ではない。
業務と信用を“届ける”という行為だったのだ。
📝 次回予告
「魔T:Tivoli、全てを支配したがった者」
運用も監視も資産管理も一手に引き受けようとして、逆に溺れる──
そんな夢と混沌のソフトウェアへ。
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